離婚を決意した方へ
離婚を決意した方へ
心は決まりましたか?
きちんと話合いができましたか?
しつこいようですが、離婚は最後の手段です。話合いができるようなら、引き返す道はあるかもしれません。話合いができない、話し合ってもまとまらないので相談を希望される方は、こちらに進んでください。
夫婦間での話合いで合意できた、という方は、話合いの結果を必ず書面で残しておいてください。養育費の取り決めをしても、期限通りきっちり支払いを受けている方は約半数です。
また、期限通り支払わない理由で最も多いのは、「お金はあるが支払おうとはしない」です。これは調停離婚で終了したケースで、しかも離婚成立後=養育費取決めから1年~1年半後の調査で、きちんと支払ってもらっているのが半数です。
協議離婚や、取決めからもっと時間が経った場合、支払ってもらえない可能性がもっと高いだろう、というのは簡単に予想がつきますね。
つらい話合いを繰り返して養育費や慰謝料を決めても、支払ってもらえなければ同じです。離婚した相手に「早くお金を払って欲しい」と伝えるのは当然の権利ですが、また嫌な思いをしなければなりません。約束を書面で残していない場合、「そんな約束をした覚えはない」と言われてしまう可能性だってありますよね。
離婚に関する公正証書も、作成したからと言って、100パーセントの履行を約束するものではありません。ですが、公正証書は、裁判の判決と同じ効果を持つ、強制力を持つ書面です。裁判をするには、膨大な時間と手間がかかりますが、公正証書は、双方の合意さえあれば作成できます。離婚について、合意できたことは必ず公正証書で残しておいてください。
離婚にかかる費用
もう一緒に住むのが耐えられない、一緒に住んでいなくても結婚しているという事実が苦痛だ、という気持ち、とても良くわかります。離婚してくれるのならほかには何もいらない・・・。
でも、少しだけ考えてみてください。
女性は、離婚によって、夫とともに住む場所と仕事までなくしてしまうことがとても多いのです。お仕事をしていた場合は、そのまま仕事が続けられるのなら言うことはないですが、遠方に引っ越すことになったなどの理由で仕事を辞めなければならない場合や、経営者の夫の仕事を手伝っていた場合などは、全く収入がなくなってしまいます。
でも無収入でも払わなければならないお金が、離婚後2~3年は、必ず発生します。税金のうち、住民税や国民健康保険料は前年度の収入で決定されます。子どもがいた場合の児童扶養手当がもらえるようになるのも、離婚前にそれなりの収入がある場合、離婚後すぐとは限りません。
専業主婦であって、全く収入がなかった場合には、税金等は発生しませんが、新たに仕事を見つけなければなりません。そのためにはある程度訓練をうける必要があるかもしれませんし、お仕事用の服を買わなければならなかったりします。
無収入でも支払わなければならないお金がたくさんある、ということを考えて、離婚後1~2年分の必要経費分を試算しておくことをお勧めします。その試算を基にして、扶養的財産分与の請求をすると、相手にも理解してもらいやすくなります。
離婚後に必ず発生するお金を挙げておきます。
国民年金(月額14,600円 2009年4月現在)
専業主婦で夫の厚生年金に加入していた場合、新たに国民年金に加入しなければなりません。
また、離婚により会社を辞めたことにより、厚生年金の被保険者でなくなった場合も、、国民年金に新たに加入する必要があります。
前年度の収入により、減免制度がありますが、その場合将来もらえる年金が減ってしまいます。
離婚して一人で生きていく、ということを前提に考えると、なるべく払っておきたいですね。
国民健康保険
国民年金と同じく、夫の会社の健康保険に加入していた場合、新たに国民健康保険に加入しなければなりません。
これは前年度の収入をみますので、前年度の収入が少ない場合には、保険料も低くてすみます。
国民年金、国民健康保険
専業主婦だった場合と同じく、会社を辞めた場合はそれぞれ加入しなければなりません。
国民健康保険に関しては、収入の多い方ほどたくさん払わないといけません。
住民税(市県民税・市府民税)
給与天引きの特別徴収だった場合には支払う必要はありませんが、普通徴収だった場合は、6月ごろに納付書で支払わなければなりません。
小学校前の子どもがいて仕事をする場合、どうしても保育料がかかります。地域によって違いますが、認可保育園では母子家庭は優先されることもあるようです。
これも地域によって違いますが、10~11月ごろに認可保育園の募集があります。この時期に申請できない、つまり離婚した時期がこれより遅いと、翌年1年間は認可保育園に入るのは難しいと考えた方がいいでしょう。たまたま地域の保育園に欠員がでると入れることがありますが、待機児童のあふれている地域ではあまり期待できません。
そうなると、無認可の保育所にはいらざるを得ません。無認可の保育所の保育料はまちまちですが、フルタイムで働くとなると月最低でも3万円はかかります。また、認可保育園の保育料も前年の収入を見ますので、収入が多かった方は保育料も高くなります。
~エノモトのケース~
私は離婚する前は夫の経営する小企業で働いていました。いろんな事情があり、お給料をすごくたくさんもらっていることに帳簿上はなっていました。離婚するときは「一刻も早く離婚したい!」と思っていたので、お金の面では全く争わず、子ども名義の預金を少しもらっただけでした。
離婚後、上のようなことに気付いてからが、本当に大変でした。児童扶養手当が実際にもらえるようになったのは離婚してから1年以上経ってから、それなのに国民健康保険料も、公立の保育園の保育料も離婚後まる2年払い続けました。
そして、住民税に関しても、離婚後1年経ってから「50万支払うように」という通知が来ました。制度上仕方のないことなのですが、愕然としました。
何も考えずに離婚を実行してしまった私を反面教師にして、あなたはどうか同じ失敗をしないでくださいね。
離婚協議書
離婚協議書を作成しておくと、少なくとも証拠は残り、 「言った・言わない」のトラブルは避けることができます。約束したのに払ってもらえないという場合に、「離婚協議書」があると裁判になったときには重要な証拠になります。
ですが、離婚協議書を作るだけでは、トラブル防止のために万全とはいえません。ご夫婦で作成した離婚協議書では、払ってもらえない場合、裁判しか方法がありません。裁判で強制執行をするには、たくさんの書類を用意し、何度も裁判所に足を運び、場合によっては供託金が必要になるなど、大変な手間と時間がかかります。また、これらの手続を弁護士等に依頼すると、多大な費用が必要になります。その上、裁判で負けた方には必ず感情的なしこりが残ります。
最善の方法・・・
それは、離婚協議書を「強制執行認諾約款つき公正証書」にしておくことです。離婚協議書を公正証書にしておくと、協議書で約束していたことが守られない場合、裁判なしで執行できます。つまり、給与や財産の差し押さえができるので、強制的に支払ってもらえます。
また、「強制執行します」という内容の内容証明郵便を送ることで、相手方が話し合いに応じたり、支払ってくれる可能性はぐんとアップします。
当事務所では、公正証書にしない離婚協議書の作成は行っておりません。離婚後、新しい人生のスタートを切っていただくためには、後々に離婚によるトラブルを引きずらないことが最も重要です。


























