モラルハラスメント
モラルハラスメントについて
「モラルハラスメント」という言葉をご存知ですか?「モラル」とは、精神的な、という意味。「ハラスメント」のほうは、セクシャルハラスメントなどと同じで、嫌がらせ、という意味です。精神的ないやがらせ、ということですが、私は、嫌がらせというよりも、虐待、暴力と言った方が近いと考えています。ひとつひとつの言葉や態度は、ちょっとしたことなのです。
- 戸を大きい音で閉める。
- 話しかけても、聞こえないふりをする。
- その人の容姿や、その人の家族のことを、からかうような言葉で言う。
そんなことからモラルハラスメントは始まります。モラルハラスメントの一番つらいところは、まわりの人にわかってもらいにくいことです。「逆に殴ってくれたら・・・」という言葉、モラルハラスメントを受けている相談者の方から良く聞きました。
身体的な暴力を実際振るわれている人にしたら、「とんでもない!実際殴られるのがどんなにつらいか・・・」と感じられるかもしれません。が、身体的な暴力に優るとも劣らないほどの苦しみを、モラルハラスメントの被害者が受けているのは事実です
あなたはモラルハラスメントの被害者ですか?それならば、そこにとどまっていても何もいいことはありません。そこから、勇気を出して抜け出してください。きっと、あなた自身を取り戻すことができます。
モラルハラスメントでよくある質問
- 配偶者の行動は、モラルハラスメントにあたるのでしょうか。
- モラルハラスメントを原因とした離婚は可能ですか?
- モラルハラスメントで慰謝料は請求できますか?
- どうしたら、離婚できるでしょうか。
被害者って?
モラルハラスメントの被害者には、特徴があります。離婚相談を受けるなかで、「この人はモラルハラスメントを受けているかも・・・」と感じることが何度もありました。そういうとき、私は「モラルハラスメントという言葉をご存知ですか?もしご存じなければ、一度パソコンで検索してみてくださいね」と言います。
すると、10人中10人の方が、「全部当てはまります!びっくりしました・・・」と必ずおっしゃいます。ですが、私の今までの離婚相談を受けてきた経験からすると、ある一つの行為がモラルハラスメントにあたるかどうかを考えるよりも、受けている側=被害者の感覚を信じたほうが実際的であり、問題の解決には早いというのが実感です。被害者チェックリストではないですが、被害者の声の典型を挙げてみます。
- 「私がおかしいんですか?普通はどうですか?」
- 「こんなことぐらいでイヤだ、離婚したいと思う私は間違っていますか?」
- 「家にいて、どうすれば怒られないか、とがめられないか、常に考えています」
- 「どのタイミングで怒るのか、わからないので、ずっとびくびくしています」
- 「どうすれば、彼(彼女)は、気分良くしていてくれるんですか?」
- 「言われたとおりにしても、怒るんです」
- 「言うことがそのときによってコロコロ変わるので、どうしたらいいかわかりません」
- 「常に『お前が悪い』ということを言われ、何が正しいのかわからなくなってきました」
- 「私は、こんなに価値のない人間だったのでしょうか?」
こんな風にあなたが今感じているとするならば、配偶者や恋人からモラルハラスメントを受けている可能性を疑ってみてください。
夫婦・恋人間のモラルハラスメント
夫婦・恋人間のモラルハラスメントの場合、一番問題を難しくしているのは、「お互いに選びあった関係である」ということです。結婚をしたからには、何か魅かれる面があったはずです。それに、いくらひどいことを言われても、被害者は、加害者も自分のことを大切に思ってくれているはずだと、心のどこかで信じているのです。
だからこそ、深みにはまるのです。
「自分のことを大切に思ってくれている人が、こんなに私を責めるということは、きっと私に落ち度があるんだろう」
「でもやっぱり仲良くしたい、夫婦だもの。家族だもの。」
人には、本来「幸せになりたい」と感じる本能があります。その本能は、本来ならば「つらい状況から抜け出そう」という気持ちを起こさせるはずのもの。ですが夫婦・恋人間の場合、「幸せ=仲良くやっていくこと」だという思い込みがあるため、「なんとかうまくやっていこう」というふうに働いてしまうのです。そして、関係を改善するために話し合いを試みる。ですが、いくら話し合いをしても、最終的にはには被害者が謝らなくてはなりません。
それしか加害者をなだめる方法はないからです。
謝ることにより、加害者に対し、更に責める口実を与えてしまいます。加害者は、「ほらやっぱりお前が悪いんだ」「自分は間違っていない」。この悪循環を繰り返します。常に責められ続け、嘲笑され、おとしめられ、周りの理解も得られず、被害者はどんどん苦しくなります。
「何も感じないようにしよう」
「相手のいいなりになろう」
「相手の機嫌を損なわないようにしよう」
いくら「何も感じないようにしよう」と思っても、やっぱり責められると苦しい。なぜなら、その気持ちは「幸せになりたい」という本能から出てくる気持ちだから。加害者は、その苦しい、嫌だと感じる気持ちまで否定します。
「こんなことぐらいで傷つくお前の方がおかしい」
「傷ついているのはこっちだ」
こんな言葉が投げかけられます。被害者は、「苦しい」という気持ちと、「苦しいと思う私は間違っている」という気持ち、「それでもやっぱり仲良くしたい」という気持ちに引き裂かれ、バラバラになってしまいます。また、被害者はこういうこともよく感じるようです。「あの人にはいいところもたくさんあるし・・・」「私にも悪いところがあるから・・・」これも、「仲良くしたい」「幸せになりたい」という無意識のなかにある本能から出てくる感情です。人が自衛のために生まれつき持っているはずの「幸せになりたい」という本能が、逆に被害者を加害者の元に留まらせてしまうのです。そこに、夫婦・恋人間でのモラルハラスメントから抜け出す難しさがあります。
























